宮内庁御用達・皇室御用達とは、どういう意味?

宮内庁御用達・皇室御用達という言葉は
よく聞きますが、
それが本当はどういう意味なのかご存じでしょうか。

 

 

 

カンタンにまとめると

【御用達】宮内庁に定期的な納入実績があるもの・あったもの
【献上品】皇室の方々に無償で献上したことがあるもの

ということですが、
御用達、献上品、ご愛用などといろいろな言葉で呼ばれるうちに、
献上品なのに御用達と呼ばれるようになっているなど
不正確なものも多く見受けられます。

 

ところが、そもそも今は、「宮内庁御用達」「皇室御用達」を
堂々と名乗れる制度は存在しないのです。 
確かな品質が保証されているといっても過言ではない皇室御用達。
その経緯をご紹介しましょう。

 

もともとは「宮内省御用達」

明治24年、当時の宮内省により御用達の制度がはじまりました。
日本の伝統文化・技術の維持向上や、洋式化の推進が目的だったようです。

 

ところが御用達を詐称する業者が数多く現れたことで、
御用達の業者には納品している期間や資本金まで、
より厳しい基準が求められるようになっていきました。

 

納品物に不具合があった場合には
資格自体が取り消されるということもあったようです。

 

宮内省が宮内庁になった後も制度自体は続きましたが
少しずつ縮小していく傾向にありました。 

制度がなくなっても残り続ける御用達

戦後の昭和29年、宮内庁御用達制度は廃止されることになりました。
その大きな理由は、商業機会均等という民主主義の精神でしょう。 

 

ですが、制度は廃止されても、
それまで御用達だった業者は引き続き宮内庁への納品をしているわけです。

 

また、たった一度であっても皇室に品物を献上することは、
品質が認められたものでなければできないですし、大きな実績なわけです。

 

ということで、実際に宮内庁御用達であったロイヤルブランドや、
献上実績のある数々のブランドは、
著しく問題のある表示をしなければ
宮内庁としても黙認しているという状態が続いて現在に至っています。